フレイル・骨粗鬆症
フレイル・骨粗鬆症
「フレイル」は「健康」と「要介護状態」の中間の状態で、ストレスによって要介護に陥りやすい状態です。「フレイル」は運動や栄養によって一部健康に戻ることができると言われています。
そして、多くの人が健康な状態からフレイルの段階を経て、要介護状態に至ります。フレイルの兆候を早期に発見して日常生活を見直すなどの正しい対処をすれば、フレイルの進行を抑制したり、健康な状態に戻したりすることができます。
以下の症状がある患者さんが対象です。1つでも当てはまる方は受診をおすすめしています。
自宅でできるリハビリや栄養指導などを行います。必要に応じて薬物療法も行います。
フレイルを適切に予防しないと、加齢や疾病が原因で食欲不振となると、食欲や嚥下機能が低下し、食事量が減り低栄養に陥り、体重が減少してサルコペニア(筋肉減少症)に至ります。サルコペニアになると、筋力が低下、身体機能が低下し、活動量が減少します。すると活動量が減少することによって、エネルギー消費が減り、食欲がさらに低下するという悪循環に陥ります。この悪循環をフレイルサイクルと呼び、この悪循環を取り除かなければなりません。
体が不自由になる原因の一つに骨粗鬆症による骨折があります。
骨密度は人間の一生において30歳前後が最もピークに達しその後徐々に減少します。骨量は年齢とともに知らず知らずに減少し、自覚症状は伴いません。特に女性においては閉経後急速に骨量が減少します。骨量が若い頃の70%になると骨粗鬆症の状態であり、骨折を起こしやすくなります。つまり元気に老後を過ごすためには出来るだけ骨量の減少を防ぐことが非常に大切です。
骨粗鬆症外来では、その人の骨量を調べてその結果に応じて生活指導や治療を行い、できるだけ骨折を起こさないようにすることを目的に診療を行っています。
以下の症状がある患者さんが対象です。1つでも当てはまる方は受診をおすすめしています。
骨粗鬆症の予防には、カルシウム摂取のほか、骨の形成を助ける栄養素である「ビタミンD3」が重要です。ビタミンD3は紫外線を浴びることで作られるので、屋外で太陽光を浴びる習慣をつけると良いでしょう。カルシウムの吸収を妨げる「喫煙」「アルコール摂取」「カフェインを含む飲み物の多飲」「塩分の高い食事・インスタント食品の摂取」はなるべく避けるようにしてください。
マグネシウムとカルシウムには密接な関係があり、カルシウムだけ摂取していてもマグネシウムが不足していると血中カルシウム濃度が低下してしまいます。
食事において、カルシウムとマグネシウムは2対1の比率でバランスよく摂取するのが望ましいとされています。マグネシウムは大豆製品や海藻、ナッツ類、ごまに多く含まれています。
体の中で骨を作ってくれるのが、『骨芽(こつが)細胞』です。
この『骨芽細胞』にしっかりと働いてもらうためには、運動による刺激が必要です。強い力がかかればかかるほど骨は強くなろうとします。よって、軽い運動よりも強い運動の方が骨に刺激を与え強くすることができます。また、運動することで筋力やバランス能力が維持・向上し、転びにくい体をつくることができます。
ただし、年齢・体格・健康状態等の個人差によりできる運動とできない運動がありますので注意が必要です。急に無理をすると反って体を痛めてしまう可能性があります。
おすすめの運動には、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、卓球、グラウンドゴルフ、テニス、体操などがあります。ウォーキング(歩くこと)は手軽なので、運動に慣れていない方でも挑戦しやすいと思います。
他にも体を動かすものなら何でも結構です。出来る範囲で、かつ長く続けられるような、自分の好みにあった運動をみつけていただくことが大切です。
薬物療法には注射と内服があります。
投薬頻度も、1年に1回、半年に1回、月1回、週1回、毎日など様々な種類があります。それぞれ患者さんにあった治療内容をご提案させていただきますためご安心ください。